回鍋肉にオイスターソースは要らなかった

次男は私の顔を見るや否や

「今日の夕飯なに?」

が挨拶で。
仕事とチャリ通でくたびれて帰ってきた母は毎回カチンとくる。

カチンとくるけど、じゃあ”おかえり”の次に何を言われたいのかしら?と考えると、別にコレといって無い。

 

カチンとくる理由はたぶん私のほうの事情であって、次男に罪は無い。
私の事情というのは、単に帰りのチャリを漕ぎながら「あー夕飯なんにしよ。あー思い浮かばない。あー作るの面倒臭い。めんどくさいなーー!!」と何も思い付かないまま家に着き、家事へのモチベがだだ下がりのなか次男の「夕飯なに?」が「はよ家事しろや」にイコールされて「あぁん?!」と勝手に神経逆撫でされてるだけのワガママ事情である。

 

次男よ、せめてな、母ちゃんの仕事帰りのゼェゼェが収まったくらいに聞いてくれないか。せめてな。

 

いつもの如く「何も考えてない!」という母の返答に「唐揚げの気分」と応える次男は、メニューを提示する飴と手間を考えない鞭を一瞬で与えてくれる。厳しい。

しかし、今夜は夫が夜勤の日。

我が家の唐揚げぱーちーは1食につき鶏肉2キロ弱がベター。帰宅して18時近い現時点でなんの下ごしらえもしていない唐揚げぱーちーは、スケジュール上わんこ唐揚げのように揚げた横から食べてもらうしかない。

味が染みてない唐揚げほど切ない唐揚げはない。

というわけで、唐揚げは却下。

するとすかさず「じゃあ回鍋肉は?」と3日前に買ったキャベツを見つめる次男。

それなら許そう。

 

早速、一時帰宅した夫と共に買い出しへ。

その直前に「仕事終わった?雨だから迎えに向かってるからね」という夫からの優しさ溢れるLINEを、家に着いて気付いて「え、家に着いたんだが?」と見事なすれ違いをして無駄な労力を使わせたことも記録しておこう。

あ。私のチャリは小さい折りたたみで、車はアルファード(年式古い)だから余裕で積める代物。なんなら夫の仕事用バモスにも仕事の荷物次第では載ってしまう便利さなのだ。

夫の知り合いから譲ってもらった古いチャリだけど、148cmの私にしっくり来るサイズで気に入っている。

 

チャチャっとスーパーで買い出しを終わらせ、休む間も無く夕飯を作る私。

大きめのキャベツと格闘しながら、勘で味付けをする。

中華おかずはオイスターソースを入れたらそれっぽくなるんじゃね?という、便利なレシピサイトも見ずに炒める。

味見する。

・・・なんか違うけど、美味しいから良し。

そして鍋ごとテーブルへどーん。

我が家は基本的におかずは鍋ごとどーん。

ご飯となすの即席漬物を並べたらいざ夕飯。

 

食べ盛り3人を前に1/2玉キャベツとお徳用ファミリーパック700gの豚肉で作られた回鍋肉は瞬殺された。

 

次男に「回鍋肉っぽい?」と聞くと「ギリ」とのこと。

やっぱりそうか。私もそう思っていたんだ。

長男は「え、野菜炒めだと思ってた」ときた。

夫は「美味しいよ」と野菜炒めと塩が効きすぎたなすの漬物を文句も言わず食す。

 

・・・回鍋肉の味付けってどんなんだっけか。

もう食べ終わろうかというタイミングでようやくレシピサイトを見る。

 

しょうゆ

甜麺醤

豆板醤

砂糖

にんにくチューブ

 

あれ。オイスターソースなくね。

青椒肉絲と似てるからてっきりオイスターソースだと思い込んでいた。

 

次男に「箱に入ったソースみたいなの使えば?」と言われる始末だが、我が家は基本的に大食いのため市販のソースを買うとコスパが悪い。だから何にでも使えるように調味料を揃えてるほうが安上がりという結果に落ち着いている。

 

うーん、これは回鍋肉リベンジをしなくてはいけない。

明日の夕飯にしたらどうだろうか。

きっと普通なら非難轟々な主婦の怠慢だろうが、我が家は結構許される。
だってキャベツとレタスの違いが未だに付かない息子たちなのだから。味がちゃんと回鍋肉なら今日の野菜炒めとは別物と認識するに違いない。

夫には悪いが、明日は回鍋肉とさせていただく。

 

よし、明日の悩みがひとつ減った!